妖精ヴィッリ2 No.3

妖精ヴィッリ2 No.3

No.3 シーン(場面)とアンナのロマンス(アリア)

練習番号14

ここに非常に興味深いト書き(演技の説明、指示)がある。
Anna con un mazzolino di nontiscordardimè

◾️ヒント この単語:nontiscordardimè は花の名前。日本語では勿忘草(わすれなぐさ)。イタリア語と全く同じ名前というのが興味深い。この後に続くアリアの内容を暗示している。プッチーニの天才的手法。

勿忘草_Myosotis_sylvatica_-捷克_Krumlov_Castle,_Czech-_(27563445345).jpg


O fior vaghi, se io fossi piccina come voi, potrei stare vicina al mio amor sempre sempre.
ああ、美しい花よ、もし私があなたのように小さいなら、いつも、いつも、私の愛する人の近くにいられるのに。

◾️ここでアンナは花に向かって話しかけている。
◾️Piccinaという言葉はイタリア人にとってトスカーナの言葉。


Allor vorrei dirgli; "Io penso sempre a te!"
そうしたら、彼(ロベルト)に言いたいわ:「私はいつも貴方のことを考えてるのよ!」って。


Potrei ripetergli: "Non ti scordar di me! Io penso sempre a te! Non discordar di me!"
彼に繰り返していえるわ:「私のことを忘れないで!、、、、」って。


O fior, voi lo seguirete, (voi sarete) più felici di me.
ああ、花よ、あなたは彼と一緒に行ってね。(あなたは)私よりも幸せだわ。

◾️アンナはここに居残らなければならない。宗教的な理由もあって、当時は結婚前に一緒に旅行する事は厳しく禁じられていた。


Ah, se il nome che avete non è menzognero, deh! ripetete al mio amor "Non ti scordar di me!"
ああ、もしあなたの名前がウソでないなら、お願いだから、私の愛する人に繰り返してね。「私のことを忘れないで!」って。

◾️花に話しかけながら「あなたの名前」と言っている。この花の名前は、勿忘草(わすれなぐさ)。
◾️イタリア語でウソを意味する言葉は2つあり、bugia と menzogna。 menzognaの方が重く、ネガティブ。


練習番号17

(アンナは勿忘草の花束をロベルトの旅行カバンの中に入れに行く)
(ロベルトはアンナの行動を見ながら、彼女に近づき、笑顔で)

Ah! ti ho colta!
あっ! (何か悪戯したのを)見つけたぞ!

◾️もちろん、ロベルトは冗談で言っている。ユーモア。動きとしては、、例えば、不意に後ろから肩を掴んで。


(ロベルトは旅行カバンから花束を取り出して、それにキスをする。そして再びカバンに戻す)

Grazie, Anna mia, ma io vorrei chiederti, un ricordo più gentile (dei fiori)

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