妖精ヴィッリ1 第一幕 前奏曲 〜 No.2
Libretto(台本)の読解と研究
第一幕
No.2 イントロダクションのコーラス
練習番号3
この Evviva!(万歳!)は、二つの事にかかっている。
1、obertoが莫大な遺産を相続した事に対して。
2、(その結果として)二人の結婚が可能となった事。
練習番号4
先ず、自然なイタリア語となるように語順を整理しよう。
そのほうが理解しやすい。(以後、整理後の文は太字表記)
Della vecchia di Magonza Roberto è ereditare!
→
Roberto è ereditier della vecchia di Magonza!
◾️ヒントを2つ。
1、vecchiaは女性形なので、おそらく親戚のある女性から遺産を相続したのだろう。遺産を受け取りにわざわざMagonzaまで行くというのだから、叔母(伯母)を指すのかもしれない。
2、Magonzaは街の名前で、マインツ(ドイツ)の事。
I tesori accumulati son davver molti!
貯蓄された宝物(財産)は本当にたくさんあるんだ!
練習番号5
Dunque povero stasera Roberto partirà... Ei ricco tornerà e a sposar la fidanzata!
→
Dunque Roberto stasera partirà ※povero e Ei tornerà ※ricco a sposar la fidanzata!
※aggettivo in funzione predicativa
更に分かりやすくするために言葉を補うと:
Dunque Roberto stasera partirà come povero e Ei tornerà come ricco a sposar la fidanzata!
練習番号7
Gira! balza!
このbalzaを別の言い方をするとsalta(跳ねる)
La musica freme e delira, la danza sospinge ed incalza!
擬人法的な表現。
音楽を人に例え、音楽という奴は(喜びに)震え、そしてイカれてる。踊りって奴は押し動かし、せき立ててくるのさ。
練習番号8
Oh! l'ore volano ※rapide se il piede è legger alla danza.
※aggettivo in funzione predicativa
このleggerはpronto, agile, svoltoといった意味。
ダンスのために足が軽い(=機敏)なら、時間はあっという間に過ぎるのさ。
Il ballo è rival dell'amor.
踊りは愛のライバルだ。
Il core fa batter davver.
心臓が高鳴るのさ。
確かに、踊りも愛(恋)も心臓が高鳴る。
踊りはフィジカルに、恋はサイコロジカルに。
◾️ヒント
このフレーズの中にユーモアと皮肉が読み取れる。
先ず、分かりやすいイタリア語に直すと:
Il ballo è rivale dell'amore. Il ballo fa battere il core davvero.
意訳)
踊りと恋はライバルだ。でも、踊りの方が本当に鼓動を高鳴らせてくれるけれどね。
つまり、踊りは必ず(本当に= davvero)ドキドキ、ワクワクさせてくれるけれど、恋の方は、、100%上手くいく保証は無いんだ。
練習番号10
Ohe! Babbo Guglielmo!
おーい! グリエルモお父さん!
◾️ヒント
イタリア人にとってBabboやBabbinoという言葉は、トスカーナ地方の言葉。
Venite a ballare voi pure.
あなたも踊りに来てください。
◾️ヒント
イタリア語の"あなた"の距離感は:Tu → Voi → Lei の順番。Tuが最も近しい。
っこの習慣はつい最近まで残っていて、今の熟年より上の世代は自分の親に対してVoiと呼んでいた。
Evven, perché no? poffar mio!
◾️このpoffarという言葉は古語で、今は全く使われない。イタリア人に聞いても分からない人が多い笑) 現代のイタリア語で言うと、、accidenti(まさか、なんと、ちくしょう、ちぇっ、くそっ、)といったニュアンスだ。
意訳)
もちろんさ、何てこった、オレとしたことが(まだ踊りに加わっていなかったとは!)
Son vecchio, ma so star in gambe!
わしは老いたとはいえ、まだまだ踊れるぞ!