Hirofumi Yoshida - 吉田裕史

吉田裕史

吉田裕史:指揮者

東京音楽大学指揮科及び同研究科修了。ドイツ・イタリアで研鑽を積み、2007年ローマ歌劇場カラカラ浴場野外公演を指揮、2010年1月よりマントヴァ歌劇場音楽監督に就任。

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"La Serva Padrona" というオペラのタイトルは、日本語では "奥様女中" と訳されることが圧倒的に多いようですが、今日はこのオペラのストーリーをできるだけ分かりやすくイメージできるように「奥様になったメイド」としてみました(直訳すると "主人のような女中"といった感じになりますが)。とても頭の切れるメイドが、その若さと美貌をフルに活用し、同じ主人に仕える下男までも味方に取り込み、最後は正妻の座を射止めることに成功するという、"玉の輿シンデレラストーリー" です。私もこの作品を今年の6月にバロックオペラフェスティヴァルで指揮しましたが、、それはなんと 別の作曲家(ペルゴレージ)の手による完全な同名作品 でした。他にも「マノン・レスコー」「ラ・ボエーム」「オルフェオ」など、同じ原作に基ずきながらも異なる作曲家の手による作品というものがいくつか存在します。なんといっても同じ作品を複数の作曲家が手掛ける訳ですから、プッチーニの時代にもなると、、著作権の問題でかな揉めたという記録も残っています。

 

La Serva Padrona nel Bibiena.JPG

今日はこのオペラを、改修されたばかりの ビビエーナ劇場 で鑑賞してきました。マントヴァにあるこの小劇場は、イタリアでも最も美しい劇場の一つと言われていて、先日、イタリア国営放送が制作した映画風のオペラ「リゴレット」の撮影にも用いられました。劇場を立体的に用い、歌手が劇場中(客席の中まで)を縦横無尽に動き回る演出は大変見ごたえのある素晴らしいものでした。300~800席くらいまでの劇場であれば、小編成のオーケストラを舞台に上げて、劇場全体を演出空間として用いて上演するのに最適であるということを再確認することができた公演でした。エルコラーノでの1700年代の貴族の別荘内部をうまく利用した演出にしても、今回の公演にしても、"すでにその場に存在する空間" をフレキシブルに用い、最高に魅力的な上演を成し遂げるこの国の演出家のセンスには、、感嘆するばかりです。