Hirofumi Yoshida - 吉田裕史

吉田裕史

吉田裕史:指揮者

東京音楽大学指揮科及び同研究科修了。ドイツ・イタリアで研鑽を積み、2007年ローマ歌劇場カラカラ浴場野外公演を指揮、2010年1月よりマントヴァ歌劇場音楽監督に就任。

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2008年12月 9日 23:00

ドニゼッティ

donizetti.jpgのサムネール画像 ガエターノ・ドニゼッティ(Gaetano Donizetti, 1797年11月29日、ベルガモ生まれ)作曲、オペラ「愛の妙薬」より "人知れぬ涙" (L'elisir d'amore "Una furtiva lacrime")

ロッシーニ、ベッリーニと並び19世紀前半のイタリアオペラ界を代表する作曲家であるドニゼッティ、早書きで多作だった彼は、生涯に70のオペラを作曲しました。

その彼の代表作品と言えるのがこの「愛の妙薬」です。ストーリー自体には少しばかり無理がある(ほとんどのオペラには、物語の設定に?!という場面があります (笑))のですが、この作品がただのオペラ・ブッファ(お笑いもの)の枠を超えて、何やらホロリとさせられる美しい作品に仕上がっているのは、登場人物の魅力的なキャラクターのおかげかもしれません。


大好きなアディーナ(村一番の美人で地主の娘)に、なかなか気持ちを打ち明けることができないでいる純情な青年ネモリーノ。"愛の妙薬"(媚薬)の力を借りてでも、なんとか彼女の愛を手に入れようとします。ところが、この妙薬はかなり高価。そこで、支度金を受け取るために、なんと命をかけて軍隊に入る約束までしてしまいます。


"そこまでして、この私を愛してくれているのね。私ひどいことしちゃったわ。。"と涙ぐむアディーナ。

その姿を見て、"アディーナが泣いていた、「人知れぬ涙」が浮かんでいた、、俺を愛してるんだ、神様、俺、もう死んでもいい、、、" とネモリーノ。 


テノールが歌う最高のアリアをお聴きください。

 

① いくら早書きとはいえ、ドニゼッティはこのオペラすべてを、作曲の依頼を受けてからたったの2週間で書き上げたそうです!


② ネモリーノが命をかけてまで手に入れたこの"愛の妙薬"(L'elisir d'amore)、オペラのストーリー上では、実はインチキな薬売りが売りつけたただの赤ワインという設定になっています。でも、結果としては彼女のハートを掴んだということからでしょうか、イタリアではL'elisir d'amoreという銘柄のワインが実際に販売されています(笑)。


③ 才気煥発で少しだけ気が強く最高に魅力的な女性(ソプラノ)、マイペースで世間知らず&一途な純情男(テノール)、かたや自信満々のナルシストでかなりイケてる伊達男(バリトン)という設定は、「カルメン」にかなり似ていますね。そして、このような"三角関係"はオペラの基本設定と言えるかもしれません。


④ 友人のテノール歌手が言うには、このアリアは、テノール歌手にとってその美しい声を披露するのに最適な曲だそうです。